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第78回 北川裕記

『海、見える?』 -私の住んでいるところ-

今から7年前、それまで住んでいた東京都練馬区から横浜市青葉区に引越したと告げたとき、ほとんどの人に聞かれた質問でした。やはり多くのひとにとって横浜のイメージは海、港街なのでしょうか。青葉区が比較的新しく(近所の住宅の表札には緑区と書かれているものがいくつもあります)、関東圏以外のひとにはまだ馴染みが薄いことも影響していたのかも知れません。

もちろん海は見えません。その代り、山と街は見えます。東急田園都市線の「藤が丘」から「長津田」あたりまでは細かいアップダウンが多く、少し歩いただけで、思わぬところで急に視界が開けたりします。私の住むあたりではいろいろな場所から富士山が見えますが、ほんの数分歩いただけで富士山の見える大きさが変わっていく様子には、ちょっと感動します。散歩するには最高ですが、日常生活には良いことばかりではないようで、子供が半泣きになりながら自転車を押して坂を登っていたり、不動産広告では「駅から平坦地徒歩○○分」と、坂がないことがセールスポイントになったりしています。

この季節の楽しみは花火大会です。ほとんど毎週末、近くのどこかで花火大会が行なわれます。夕飯の少し前に、くぐもった「ヴォン」という音を聞きつけて外に出てみると、あるときはかなり近くで、またあるときは音がかなり遅れて届くほど遠くで花火が上がっています。雲が厚い日だと音はすれども姿は見えず、ということもあります。逆のケース、例えば「みなとみらい」の花火も見えますが、どんなに盛大でも音が聞こえない(何しろ遠いですから)花火はちっとも面白くないものだと分かりました。

先日、area045の新しいパンフレットを作る際に、メンバー全員が横浜市内に限定して、それぞれのお薦めスポットを挙げることになりました。私はテレビドラマのロケにも何度か登場したという近くの高台にある公園、田奈第2公園を選びましたが、本当のお薦めはその公園も含めて、このあたりをくねくね歩いてみることです。駅前には田んぼも広がっています。

横浜らしくないこのあたりですが、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

2006/07/29

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