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第37回 高橋晶子

『横浜トリエンナーレ2005会場設計』

現在事務所はフル稼動で、今年の秋に開かれる横浜トリエンナーレ2005の会場設計のヤマバにはいっています。美術関係者や横浜市民の方はご存知と思いますが、2001年にパシフィコと赤レンガで開催された国際現代美術展の横浜トリエンナーレ、今年は山下埠頭に会場を移しました。私たちが係わっているのは会場計画と展示設営で、港湾の保税地区内倉庫として使用されている上屋を、9月末から12月中旬、約80日の会期中だけギャラリーに用途変更し、終了後は元の倉庫に復帰させる仕事です。

ディレクターはアーティストの川俣正さん。昨年末、突然のオファーを受けて川俣さんにお目にかかり概要をうかがったものの、仕事の全貌がつかめないまま、とにかく共同してほしい方に声を掛けてチームを組み、作業をはじめました。
建築チームは曽我部昌史、塚本由晴、貝島桃代、藤本壮介という、豪華?でアクティブなメンバーです。

建築チームでビールとシュウマイをつまみながらわいわいと、会場構成スタディを行いました。会場構成というのは普通、アーティスト作品のための場をセットアップする黒子的な仕事です。もちろん今回もそうですが、どういう場に置かれどう見せられるかで同一の作品が違う印象に見えるのも事実、少し大げさに言えば、会場と作品の関係そのものを、来訪者は体験するといえます。

今回の会場構成、テーマは「いかにつくらないかという物語づくり」。
川俣さんというキャラクターと倉庫という場の質から、白い展示壁面ではなく「ボックス」を単位として、部屋ごとにその密度や配置を変化させていくというイメージをまず提案しました。それをもとにキュレーターチームとのキャッチボールが開始され、フィードバックやコスト調整をしながら、ボックスと作品が固まってきています。
ボックスは、終了後ゴミになるのでなく、「また流れていく、形が変わって利用される」ことができる材料や作り方に取り組んでおり、これも物語の大きな要素です。

関係者みんながラウンドテーブルでフランクに話し合える環境もさることながら、川俣さんのエネルギーと野性的な「勘」に直に接して感じる楽しさは、他ではなかなか得難い感じです。 ぜひ、秋になったら山下埠頭にいらしてください。

2005/06/23

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