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第34回 中村高淑

『ポルシェ』

いまポルシェにはまっている。今年になって81年式ポルシェ911を手に入れた。ポルシェのオーナーになると色々と発見があった。

2年ぶりとはいえ長くマニュアルに乗っていたので大丈夫だと思っていたが、ポルシェ・シンクロやオルガン式のペダル類に独特のクセや作法があり、慣れるまでちょっと時間がかかった。が、慣れてしまえばパワステなんて無くても平気だし、アイドリングスタートもできるようになった。

そうなるとまず、移動の時間が楽しくなった。土日はクライアントとの打合せで潰れ、平日はスタッフや現場、メーカとの打合せ、設計や原稿の締切に追われ、夜は会合やら調べものや目を通さなければいけない資料の山.......。まとまった時間や人数が必要な趣味は出来なくなったので移動時間が趣味の 時間に変わるのはなんともありがたく、いい気分転換になる。
1100cc 120馬力以上のバイクに乗っていたので、正直ビックリするような加速やスピード感は無かった。でも、ポルシェはバイクに近い感覚がある。路面の感じがハンドルや車体から体に伝えられ、オイルの焼けた臭いや後輪からのトルク、エグゾースト・ノートがドライバーの五感を刺激する。

スポーツカーなのにいざとなれば4人乗れるのも便利だ。蓼科の現場への雪道もスタッドレスを履いて難なく走れる。エアコンも一応あるし、カーナビもETCもiPodもつけているので24年も前のクルマにしては不便さは無い。集中ロックでないのが不便といえば不便に感じたが、よく考えればたかがドア2枚、先々代のクルマもそうだったことを思い出すとすぐ慣れた。
ポルシェ好きの自分が意識するほどもは世間ではジロジロ見られることも無いのだが、それでもよく「おっ、ポルシェだ」と言われる。意外だったのがポルシェなんて知らないはずの小さい子供のウケがいい。
これまで「ヨーロッパではあまり洗車しない」なんて言って自分で洗車なんかほとんどしなかったのが、結構マメに自分で洗車するようになった。

なんと言っても住宅の設計にも影響が出始めている。今まで何人かクルマやバイク好きな人の家を設計してきて、これまでも彼らの気持ちは理解しているつもりだったが、それがより切実に強く共感できるようになった。

あぁ、ガレージが欲しい.......!!

2005/04/20

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