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第281回 水口裕之

『 葉山の海にて 』

3~4年ほど前からお付き合いのある工務店の専務に誘われて建築家仲間と一緒に始めたシーカヤック。筋がいいねと誉められて調子に乗ったか、今では趣味の一つとなりました。とは言っても船も道具もレンタルで、たまに誘われて行く程度になってしまっていますが、体を動かすというだけでなく海の上で学んだりすることも多くあってかなり面白いです。

葉山の森戸海岸から出航して沖の名島の鳥居を拝みつつ、御用邸を通り過ぎて長者ヶ崎から横須賀の秋谷、コンディションの良いときは佐島までという岩場巡りのルートが定番ですが、インストラクターさんいわく、温暖さや穏やかな波と風、海岸線の多様さにおいて葉山は日本で一番カヤックに向いている海だそうです。水の透明度についても夏はさすがに濁っていますが、秋から冬に向けてびっくりするほど海の透明度が増していきます。真冬が一番綺麗なのでしょうがさすがにその時期は船上が寒すぎるので、気温が寒くても海水がぽかぽかと暖かい11月ごろの海が一番快適かなと思います。

ちなみに葉山あたりのその一帯の海岸近くで自分で設計した住宅がいくつかあるのでその姿を海から眺めるのも個人的には楽しみ。陸上からは見えない海に面した豪邸なども海からは丸見えです。水位が高いときには川をさかのぼってみたりすることも出来てこれもまた面白いです。海からジャンプする魚もたまにいますが、魚よりもむしろ鳥たちと多く出会います。岩場にたたずむカモメにアオサギ、トンビ、潜水するウミスズメ、カワセミでさえも海で見かけることがあります。

上手な人はスキルを上げるため波のある日を好むようですが、波の無い日の海の上の静寂さは格別。普段酷使している目も遠くばかり見て休まるし、陸から離れて携帯電話も持たずただぼんやりと海の上で佇む時間はなかなか味わえない貴重な時間なのです。

2015/02/21

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