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第243回 神田雅子

『 4色のボールペン 』

私の仕事でペンを持たない日はない。
打合せメモ、図面や原稿のチェック、簡単なアイデアスケッチなどに、私はたいていボールペンを使う。紙の上をなめらかに滑り、太い線を書くことができる4色のボールペンである。

なぜ、4色<の>かというと4色ボールペンにはなかなか良いものがないからだ。
デザインもぼてっとしていて、クリップが折れてしまうものも多く、インクが詰まったり、軸が割れたりで、これまでに十数本もの4色ボールペンをインクを最後まで使いきれずに処分したのではないだろうか。
シンプルなデザインで、軸は細くて丈夫で、太い線が書けて、なめらかな書き味でクリップが簡単に壊れたりしない4色ボールペンはないだろうか。

数年前、そんな4色ボールペンがそろそろ出てきていないかとボールペン売り場を物色しているときに、ふと、必ずしも4色が1本に納まっていなくてもいいのではないかということに思い当たった。そして、思い切って、それまでも愛用していたカランダッシュのボールペンで4色をそろえてみた。リフィルは一番太いもので。

この選択は正解だった。もともとデザインも機能も気に入っていたボールペンだから使っていて気分がいいし、お気に入りは大事にするせいか、なくすこともない。
日頃、身の回りには道具でも食器でも好きでないものは置かないようにしている。
へたに妥協したものは愛着もわかず、その存在によって幸せな気分には決してなれないものだ。

2013/03/02

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