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第221回 藤本幸充

『 東日本大震災と文化財レスキュー 』

震災で被災した文化財建造物の被災状況調査のため岩手県遠野市を訪れました。
そこで見かけたポスターのタイトル。
調査開始時刻まで間があり、同行の建築関係者3名と遠野市立博物館を見学することにしました。

震災とその後の津波で文化財も流失。
泥水につかった古文書の洗浄修復作業、瓦礫の中から見つかった土器の破片、
2~3cmの破片の裏には記号、出土年月日、調査区、などを記した「注記」が克明に書かれ、その緻密な作業が発見の手がかりになったそうです。

遠野の博物館スタッフが訪れた震災直後の陸前高田市立博物館には
「博物館資料を持ち去らないでください、高田の自然、歴史、文化を復元する大事な宝です」との書置きが。
復元し、そして地域の未来につなげて行こうとの強い意思を感じます。

職員のほとんどが亡くなられたなか、泥や瓦礫が流れ込んだ陸前高田市立博物館の発掘資料は、地元岩手をはじめ全国の博物館関係者がその修復作業に関わっているといいます。
その「救出」状況と小学生も参加しての修復作業の経緯がここ遠野で展示されています。古文書の一枚一枚を洗浄処理し、骨など細かな資料をブラシで洗い出す。
その作業状況に触れ、これから始まる建造物の調査についても膨大な作業量を淡々と積み重ねる姿勢を学んだように思います。

2011/08/13

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