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第213回 高橋晶子

『 横浜の好きな場所その3:黄金町界隈 』

界隈という言葉は、身体にまとわりつく空気というか、場所の雰囲気をうまく伝えてくれます。以前私の大学の学生が代官山をリサーチしていて「どの辺までが代官山か」という路上ヒアリングをしたところ、人びとの答えからぼうっと代官山界隈といわれる領域が地図上に(雲のように)浮かんできて、とても面白かったです。
今回好きな場所に取り上げる黄金町界隈は、ここ数年「黄金町バザール」が秋に開かれており、お散歩された方も多いでしょう。個人的には、一昨年に町歩きガイドを体験、昨年に木造家屋の改修プロジェクトに参加させていただき、次第に親近感が増しました。
かつて特殊飲食店だった間口の狭い(これこそ究極の「機能主義」?!)建物が並ぶ一画、いい味出してる問屋さんや個人商店、独特の意匠をこらした旅館など、ここにしかないモノがあります。それに、行くとなぜか知人にばったり会う。建物の前の路上に、または路面の窓越しに人がいるのです。道が狭いので車主体になっておらず、家や建物が自己完結せずに集まって界隈の雰囲気をつくり出し、人びとの生活や行動をサポートしている感じです。
まだまだ再生途上の町ですが、他にない界隈性を感じる場所だと思います。

2011/03/26

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