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第190回 藤本幸充

『 横浜の好きな場所 』

事務所のあるマンションの公園と隣り合う水辺。
がその水辺に一大事?
津波の情報を得、急遽出張先から横浜の事務所に戻る。横浜港を望む位地にあり港に注ぐ運河を目の前にする。ふと見るとゆったりした流れは深く、水面にちりめん皺のような漣も。
海とは逆方向に流れている。画像はバルコニ-にでて、運河と公園を眺めた風景。
赤い京浜急行が通る橋の下に途中二本のコンクリート製の柱があるが、ほぼ水に埋まり頭だけがわずかに見える、今までにない水位。
30分ほどして再び眺めると今度は海に向かって流れている。先ほど上流に向かっていた水面のゴミが海に引張られるように流されてゆく。横浜港の津波の高さは40センチと発表されたが運河内のそれは60センチを越え、不気味ささえ漂い、下の公園で遊ぶ子供たちに10階からいつ声をかけようか、気をもむほどであった。

公園の桜は春ともなれば運河にかぶさるようにピンクの枝を広げ、散り始めると、運河は花びらで染まる。大人は桜を眺め、子供たちは群がる鯉にえさを与える。
普段は穏やかな運河が急に意志を持ったかのようであった。

JR横浜駅ホームの端とこの公園を結ぶ距離は100メートル。
将に横浜の中心にある公園。その割に驚くほど緑が生い茂る。
マンション内の公園であるので本来一般の人は立ち入れぬが黙認している。平沼神社のお祭りでは御酒所が置かれ、暮れには餅つき大会や、防災訓練が行われ、親しみとともにくつろぎを与えるマイフェーバリットスポットである。

2010/03/02

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