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第19回 水口裕之

『たかが・・・』

年末恒例の流行語大賞。「チョー気持ちイー!」なんて言ってる人にはお目にかからなかったけど、いろいろあったこの1年で最も印象に残ってるのは、やはり「たかが選手」という言葉でしょう。
プロ野球(=巨人)というどうやらとても古くさい同盟が、落ち目にかかわらず調子に乗りすぎて、一揆を起こされ崩れ落ちていく。予想されてたけど急展開なシナリオはそこいらのドラマ以上に楽しませてもらいました。「裸の王様」やら、これまた年末恒例の「忠臣蔵」の味わいもこもってます。

「戦後日本の経済成長」を支えてきた?ような大企業も、もっと手っ取り早くのし上がってきた新しい産業に簡単にとって変わられてしまうという点も野球界が現在を象徴していました。大企業やらいろんな業界の大物とかも、起こした不祥事は今や即座に暴かれてしまうから「ビッグネーム=安泰」という神話はすでに存在しない世の中のようです。今までメディアを牛耳ってきた側が今度は、市民側によりシフトしたメディアによってたやすく転覆させられるのは皮肉な感じです。

たったひとつの言葉さえ(ここではマイナスの意味で)強固だと思われていた世界を大きく変えてしまうほどの力を持っている。この騒動でこのことをあらためて思い知りました。一発の銃弾が戦争を引き起こし、一枚の写真によって戦争が終わるように。
夢想だと言われそうだけど、たった一つの建築も何かを大きく変えるほどの力を持っていると信じたいと思います。

建築業界も相変わらず古臭そうだし、「建築家」という昔ながらのビジネスモデルも使い古されて限界ぎりぎりでしょう。メディアにつくられた建築家ブームも既に消費された感が漂ってます。新しい仕事のスタイルとかビジョンについて、もっと若い世代や新しい産業からどんどん吸収して見習いたいところです。「温故知新」よりかは、もっと能動的な「新陳代謝」を続けていかなければ取り残されること必至。

せめて、「たかが建築家」と言われないようにしないと。。
2004/12/21

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