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第147回 鈴木信弘

『 御犬様 』

金融恐慌の再来だの、株価暴落だのと世の中騒がしい毎日ですが、新聞やニュースが騒ぎ立てているのとは裏腹に、私たちが普段目にする光景と言えば、週末になると、まとめられた休日のおかげか、ららぽーと横浜もトレッサ横浜もクイーンズスクエアもものすごい買い物客。不景気なのかなあ?本当に。
マンションデベロッパーもゼネコンも次々と倒産し、建売業者も意気消沈、不動産は動かず、売れ残りを必死に処分していると嘆き気味に業界人は愚痴。
そういえば武蔵小杉の駅前に最近出来た高層マンション。分譲の2棟は7000万以上と高額なのにほぼ完売。しかし賃貸の2棟は既に完成してだいぶ経つけど家賃が高いためほとんど明かりがついていない。こりゃ多分裕福層はポケットマネーでマンションで購入し値上がりを待ち、賃貸を借りるような庶民層は高くて住めない!なんていう「格差社会」?
郵便ポストに毎週配布される「ぱど」に出ている不動産広告になんか格安物件が出回り始めたのは、客寄せか?それとも処分品??
いずれにしても、状況の変化は訪れた時にはあっという間に押し寄せて、私のような凡人にはとても予測できるものではない。

横浜に住んでずっとこの街を歩いているつもりだが、ここ10年の変化で一番気になるのはワンちゃん(特に小型犬)がベビーカートに乗って飼い主であるご主人様とお買い物にも同伴するという現象である。「それじゃあ、犬の散歩にならない」と思っている人もいるだろうが、小型犬は足腰が弱く、歩かせすぎは良くないことが認知されて、最近はドックカートに乗せられているらしい。
その姿はママ達がベビーカーを押す姿によく似ているが、ベビーカーとは大きく違うのは社会的な受け入れ体制。飼い主がワンちゃんを伴って店内に入れる店は限られている。そこでショップの前にはドックカートがずらりと並ぶ。
まだ珍しいこの光景に「わー、かわいい!」と近寄る女子たちが通路を塞ぐありさまです。そのうちこういった現象が広がれば、御上は繁華街の犬の同伴を禁止するのだろうか?それとも保健所が同伴認可をするのだろうか?縦割り行政にその期待が出来ないなら、店舗の計画時点でディズニーランドのアトラクション前のベビーカー駐車スペースのように、「犬待合コーナー」を設計する日がくるのだろうか? うーん、、将来を予測する計画・設計という行為はほんと難しいですね。

2008/10/19

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