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第134回 保坂 猛

『 横浜スタジアム 』

横浜スタジアムに野球観戦に行った。(2008年6月5日横浜vs楽天)

少し汗ばむような日の夕方で、浜風が心地よい。試合開始の6時ごろはまだ明るく、ビールを飲んだりお菓子を食べながら球場全体はザワザワしていた。建築のプログラム的には試合観戦ということになるが、試合観戦というよりは大規模なピクニックと言った方がよさそうな風景だ。

私は小学生の頃テレビでよく野球観戦をしていたのだが、小学5年生の頃、後楽園球場が取り壊され東京ドームができた。快適な屋内球場の誕生に皆が喜んでいた中で私は何か違うのではないかと感じた。野球も、子供の遊びも、学校も、能の舞台も、あらゆることを屋内でやるようになった。入念に計画されたビルディングの中で出来事が予定通り消化されていく。

雨が降ってどろんこになりながらスライディングする原さんや中畑さんは、どろんこになって遊んでいる子供たちのごとく野球に熱中していた。高校野球にも同様な魅力がある。雨で中止になるかもしれないが、突然の雨はどろんこになる野球選手を見せてくれるし、試合の流れも天候によって左右されたりして、出来事の複雑さや多様性、豊かさはやはり屋外球場の方が断然上だ。なんといってもあのピクニックのような壮快さは、野球に関心のある人もそうでない人もかなり楽しめるような開放性がある。

横浜スタジアムに来るたびに私が思うのは、建築を屋内の空間としてではなく、屋内と屋外の新しい関係性の発見によって豊かさと楽しさに満ちた建築をつくりたいということである。

2008/06/13

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