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第123回 藤本幸充

『 慌しさの隙間で 』


早いものでもう12月。
年初スタッフと新年会を!と思いつつ慌しさの中に今日まで来てしまった。
一念発起、しばし来し方を振り返る。
10月は横浜の建築家25名で作るグループ当area045の建築模型展。
現在計画中のハイテク免震装置を備えた和風モダンの住宅を出品した。(横浜そごうとクイーンズスクエアで各1週間開催)多少ラップして日本建築家協会、建築家写真倶楽部の「心に残る建築写真展」(京橋INAXショウルーム)に参加。
横浜神奈川県民ホールの山側裏手にあったヘルムハウス(J.Jスワ−ガ−設計1942竣工、2000年解体)を担当。
これは横浜の外国人向けアパートで一階は店舗,そして地下にはバー「スリーネーションズ」。北欧スカンジナビア三国がその名の由来。名物のスモークサーモンを食す傍ら、カウンターバーの光がやけに青白く、脇のスロットルマシンに興じる船員を浮かび上がらせていた。30年ほど前の神奈川県警本部使用時に大改装され、その後バーは無くなったが、2000年の解体時、粉塵の中から当時のタイル壁や名栗仕上げの板壁が現れた。
広々した屋上、一戸建てのように採光通風のよい住居やオフィス、そして地下にバーと、当時20台駆け出し建築家の私には実にうらやましい環境だった。
10月の末には1年以上練習に費やした我が湘南アマデウス合唱団の定期公演。
台風がまさに通過中の湘南、藤沢市民会館大ホール、はたして客が来るのか?の心配は無用!1000人近い人々がホールを埋めた。感謝!
11月は藤沢市内の小学校ほかで、高木敏子さんの作品を組曲とした「ガラスのうさぎ」の公演。 ダークダックスの指導を受けた男性四部合唱と合奏団、ナレーションのボランティア楽団で私は裏方、音響効果の担当をしている。
2001年以来17回の公演を重ねるが700名もの小学生の前で演奏は今回が初めて。最前列の1年生も最初は戦争の悲惨さなど分からぬ様子。あちこちで後ろを向いて話していた。
主人公が二宮駅で列車を待つ中、艦載機の機銃掃射を受け目の前で父を無くすシーンあたりから、話は止まりステージをじっと見つめたまま。「学童疎開」「学徒出陣」「七つボタンの予科練」「玉音放送」など理解すべくもないが、昔、子供達もつらい思いをした、その事はどうやら伝わったようだ。
などと書いているうちにスタッフからメールが入る。12月箱根で建前、その際、刻む部材の姿が映像で届いた。家の中に橋を架ける計画で写真がその部材、急に現実に戻る。

2007/12/02

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