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第118回 鈴木信弘

『「プチ家出」の伊豆』

毎日の暑さにやられっぱなしの日々ですが、今年はちょっとだけ生活に変化がありました。伊豆半島の先端、石廊崎に近い場所に建つ築100年を越す廃屋の民家を(といっても丸裸にして、床板を貼っただけ)なんとか寝泊まりできるようにしたので、「プチ家出」を可能にしてくれる別荘ライフができるようになった事です。廻りは森しかないので昼間開けっ放しで風呂に入り、昼寝して、ロウソクの明かりで夜を過ごし、横浜ではまず見られない手が届きそうな星空、朝4時過ぎ鳥の声で起きる。そんな体験が新鮮で最初はシゲシゲと家出していたのです。

しかし!噂には聞いていたものの、実際体験してみるとやっぱり別荘は維持が大変なのです。ヘトヘトになりながら片道4時間かかる道のりを運転し到着すると、刈ったばかりの庭にはいつのまにか腰高まで雑草が生い茂り、玄関ドアを空けるとたくさんの虫が出迎え、クモの巣が顔に張り付き、なにやら小さな黒い粒ゴミのようなものが散乱している床。滞在のほとんどは草刈りと掃除で終わるのです。一体私は何をしに行くのだろう?と今年はやや気分消沈。自然のチカラと人間の無力さを思い知らされる日々。

そんな中、盆前に行った際、お世話になった大工さんが漁船を手配して下さり、毎年8月8日8時から行われる弓ケ浜花火大会を海上の船から見ることになりました。花火大会としては大きくはないのであんまり期待してなかったのですが、なんと!海に打ち込む水中花火というものを初めて見ました。私たち船のすぐ前で爆発するのですから圧巻!

いやはやまだ伊豆には面白い事がありそうです。来年までにはもっとディープな伊豆を紹介できるように探求しよう誓った夏でした。

2007/08/26

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