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第102回 甲村健一

『亥年はご注意を?』

昼下がりの一時、賑やかに会話のはずむ老人たちの話し声が耳をすまさずとも聞こえてくる。その老人たちとっては喫茶店にでも来ているかのようだが、それは病院の待合室のひとコマだった。話の内容は暖冬少雪をめぐるものであったのだが、その時、老婦人が「どうなったべがぁ。何かいぐねぇことが起きねばよいけども・・・」との言葉。天変地異の予兆ではないかとの心配だ。80年余りを生きての予感なのかは分からないが、ドキッとした。

心からあって欲しくないと思う。しかし、世界中で、そして日本各地でもここ数年来発生する大雨による土砂災害や河川の氾濫、火山の噴火や、地震や竜巻の発生、都市の異常な気温の上昇などを思い起こせば、不安が起きないわけがない。
老婦人の「亥年が・・・」の言葉が気になり、帰宅してからネットで検索してみた。すると『亥年は自然災害が多発』の文字。過去に発生した主な自然災害が示されていた。それによると、12年前に阪神淡路大震災(死者6300人余)、24年前に日本海中部地震(死者100人余)、48年前に伊勢湾台風(死者5000人余)、84年前には関東大震災(死者140000人余)、そして12年前にはあの地下鉄サリン事件もあった。さらに、今年は「丁亥(ひのとい)」と呼ばれる年で、300年前の丁亥には富士山の大噴火、東海地震・南海地震が同時発生という大災害があったと記載されていた。

コラムを読んでくださる皆さんの不安をあおるつもりはないのですが、自己の危機管理を含めて、もう一度防災準備をしておくのも大切なのかもしれません。その夜、妻に我が家の「非常持出袋」の場所を教えてもらったのは、偶然の一致と思いつつも、私自身少し不安になったあらわれかもしれません。

「甲村さぁ〜ん、診察室にお入り下さぁ〜い。」と看護婦さんに呼ばれ、お医者さまの前に座ると、いきなり「ハクション!!」。次から次へと診察に来る患者たちにご機嫌なのか随分にこやかに「甲村さんも花粉症だねぇ。薬だしとくからね、気をつけてねぇ〜。はい次!。」と先生。えっそれだけ?と思うほど早い診察に、ここだけは暖冬でも経済効果があったのかなと思えた。私にとって花粉がまうことはは、ひど過ぎるほどの自然災害ですが、今年(亥年)の最大の災害が、この例年より早い花粉症の発生程度であることを願っています。

2007/02/24

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